土には養分や水を蓄え、様々な物質から根を守り、土の中に根を張る植物を支えてくれる役割を果たしています。
「ミミズのいる土は良い土」と言われていますが、ミミズは枯れた茎葉や根を土と一緒に食べ、粘着物質をつけて地表に団粒構造となった土を糞として排出するためです。
美味しい野菜を栽培するためには、水、肥料も大切ですが、微生物が多く住む土作りが重要です。
保水性・保肥性・排水性・通気性を保つための団粒構造
良い土の条件とは、「保水性・保肥性」がよく、それでいて「排水性・通気性」が良いという相反する条件を兼ね備えていることです。このような難しい条件を満たす土を「団粒構造」の土といいます。
団粒構造とは単粒という土の小さな粒が、微生物のフンや粘液、分解された有機物などとくっついて団子状に固まった土のことです。腐葉土、堆肥や牛糞などを単粒構造の土に混ぜると、土中で微生物によって分解され接着剤の役割をする物質ができます。この接着剤の役割をする物質が土の単位を結合し、団粒化を促進します。
団粒の表面に水分・養分が付着し、団粒の内部に蓄えられ、根は必要に応じて水分・養分を吸収します。団粒構造の土は保水性・保肥性を兼ね備えています。また、隙間が沢山できることで水が流れやすくなり、空気の通り道もできるので、団粒と団粒の隙間には根の呼吸に必要な酸素が確保され、排水性・通気性がよくなります。
基本用土、改良用土
野菜を栽培するために一般的に、基本用土として使われるのは赤玉土が多いです。この赤玉土は関東ローム層の火山灰土の一種で、単粒構造のためそのままでは植物栽培に適しませんが、手を加えて団粒構造にした赤玉土が販売されています。赤玉土は排水性、保水性、通気性に優れており植物の栽培に適しています。
野菜によっては赤玉土に黒土を配合して使われることもあります。黒土は火山灰土の一種で、軽くて柔らかく色が黒いのが特徴です。通気性は劣りますが保水性、保肥性に優れています。
基本用土の赤玉土単体で使われることは少なく、栽培する野菜に合わせて、排水性や保温性に優れた有機質の豊富な腐葉土などの改良用土を配合します。改良用土には他に、保水性や保肥性に優れたピートモス、通気性や排水性・保肥性を高める木炭・くん炭、樹皮に鶏糞を加えて発酵させたバーク堆肥などがあります。
プランターに土を入れる時の目安
プランターの内側の線まで土を入れてしまうと、水やりの時に土があふれることがありますので、内側の線から5mくらい下を目安に入れる良いです。
しっかり土作りをして、美味しい野菜を育てましょう。